解釈違いでもない、性癖でもない、ただ情報を整理したい

話題性のレールを走ってきたような作品『ヒプノシスマイク』。

コミカライズを皮切りに、今度は随分とおかしな方向に話題性が広がってしまった。

今回はあまりにも話のタネが多岐にわたるので、

Twitterでいろんな意見をみつつ、整理したいことをここでまとめてみることにしたよ。

 

ちなみに、私はつい数ヶ月前に曲を聴き始め、楽曲の素晴らしさからジャンルに転げ落ちていった、ジュク押しの全員好きです。

ここまで転げ落ちたの、久しぶりでした。いろんなもの飛びこえていったよ!

 

普段、別ジャンルでもドラマパートってほとんど聞かないので、ヒプもドラマパートを聞くまでには少し間があった。視聴サンプルで軽い違和感、というか、不安感、というか、とにかくそういうものを感じたせいもあった。今思うとその感覚は正しかったんだけど。

…ということで、ここからは、『技術』に要点をおいて、現状をまとめていきたいと思うよ。

「このキャラはこんな言動はしないんじゃ?」という部分は、個人的な感性に近いものだと思うので出来るだけ避けたいけど、突っ込んじゃったらごめんなさい。

『技術』がどう作品に影響を及ぼしていくのかが、ここで書けたら幸い。

そして結論から言うと、コンテンツの大きさに見合わない能力の人間・仕事は、早めにフォローを入れておかないと、そのコンテンツの未来は危うい。

このブログを書こうと思った、一番の意図はここだよ。

 

では、順を追ってまとめていく。

まずは、私がこの記事を書こうと思った、コミカライズの解釈違いのあたりから、流れをおさらい。

・12月17日、過去編であるTDDの漫画が掲載される

  ⇒ツイッターで、コミカライズ、解釈違いがトレンド入り。

   内容は、キャラクターの行動が、いままでの【楽曲】で描かれていたキャラ象と不一致じゃないのか?というもの。

 今回の騒動の起点はここ。そして重要なのは【楽曲】という点。

所々で言われているけど、ヒプノシスマイクというコンテンツは「男性声優ラップバトル」が売り。なによりも尊重されるべきなのは音楽コンテンツだと考えるのは、妥当。

なら、物語は本来「楽曲の世界を裏付けるべきもの」であるハズじゃないだろうか。

それが出来ていないから、多くの人が疑問を唱えている。

逆に、世界観に多くを求めていない人、まだまだ解らないよ、出されたもので考えるよ、って人は、そこまで気にしないだろう。

こういう問題は、大抵、作り手側の人間のほうが敏感なもんだ。

ちなみに私も、今回の件で色々調べるまでは、結構、楽観視していた。

ただでさえラップってジャンルは王道じゃないし、わかりやすさを優先しているのかなあ、と。ドラマパートでもおんなじ感覚だったよ。ライトな層が入りやすいように軽いノリで書いてるんだろうなあ、と。実はそうでもなさそうだ、という話は、後述。

 

話を戻して、コミカライズの事をきっかけに

・コミカライズのクオリティから、原案(脚本家)の話題が持ち上がりだす

 ⇒おや、この原案者……あれ……?

というのが、今の混沌とした騒動の一つだ。

もう少し騒動の中身を解体すると、

1.「公式は、楽曲と誤差が出ないようにちゃんとシナリオを監修していない」

2.「脚本家は、過去に女性に向けた猥褻な発言をしている」

3.「脚本家は、作品を半私物化し、設定などにも自己投影の形跡がある」

4.「公式がこれでいいって言うんだからいいんだよ。受け入れられないならジャンル離れたほうがいいよ」

こんな感じになるね。これらがあっちこっちで飛び交って、論点もあっちこっちになってる。つまり半信半疑あっちこっち。

 

今回は『技術』の面から考えをまとめたいので、2と4のことは話題から外すよ。

本来、作者の人格と作品は切り離して考えるもの。なぜなら、作家は他者を描けないといけない職業だから。本人がヘビースモーカーでも、物語に必要ならば、嫌煙家を描かなければいけない。キャラクターって、そうやって作るんです。

それに、過去の発言の頃はまだ全然知名度もなく、ほぼ一般ピーポーの時期だと思われるからね。今後は気を付けようね。私も気をつける。

4に関しても、論点が外れるので扱わない。でも出来たら、4の方たちには、考えを変えろ、とは言わないので、ミジンコほどでもいいから、これから書く事について考えてみてもらえたら嬉しいなとは思う。時に、受け入れるだけが優しさじゃないんです。

 

さて、ではひとつ。

1.「公式は、楽曲と誤差が出ないようにちゃんとシナリオを監修していない」

から。

これは、中の事情にかなり近い部分だから、どれが正解とは言えない。

もちろん、ひとつのものを完成させるのには、たくさんの色んな人達が動く。

中でも重要なのは、脚本、作詞家、作曲家。ヒプマイみたいな媒体の場合、このあたりの担当者の間で、きちんと『ほうれんそう』が取れているのが理想だろう。

でも、各々スケジュールが有り、足並み揃えて物を作るっていうのは、結構難しい。

だから、完成物を最終的に確認できる立場の人が必要になる。

それが誰なのか、残念ながら私には解らない。

妥当なのは、企画原案で話の全てを握っている脚本家だが、そういったことを担当しているのかは、私には不明だ。解る人がいたら教えて欲しい。

なんにしても、設定が右往左往「しすぎている」のは、プロの作品として、ちょっと頂けない。

少しくらいの破綻はいいんだよ。それを納得させるだけの技量を感じられれば。

それを感じられない仕事をされているから、不信感が湧いてるのです。

 

3.「脚本家は、作品を半私物化し、設定などにも自己投影の形跡がある」

ここで一度、ヒプノシスマイクの脚本家である、百瀬祐一郎という人物について触れておく。

 

www.animatetimes.com

 

www7.atwiki.jp

 

以下で、著者の作品も読めます。

kakuyomu.jp

 

ごめんなさい、カクヨム、私は序盤で一旦読むのを諦めたよ。

時間が余ってるときに、もう一回腰を据えて読んでみます。

 

先にも書いたけど、百瀬氏のジェンダー観とか、過去の発言とかは話題に入れないよ。

『技術』とは別の話だからね。(要素の扱い方に関しては技術の領域なんだけど)

この、企画原案の百瀬祐一郎さん。インタビューにもあるように、コネクションで業界に飛び込んだものの、自身の作品技量で評価をもらったことは無いようだ。

横のつながりで仕事を貰えるとか、本を書かせてもらえるとか、っていうのは、実は結構あるよ。出版業界も書ける人を探してるので、「書けるの?やってみる?」みたいな感じに。

百瀬氏がこのタイプなのであろうことは、予想しやすい。でも、あくまで予想。

 

はい。ここでようやく『技術』の話だよ。

これまで、ヒプノシスマイクの設定に対してのツッコミだとか、百瀬氏が書いたブログの文章が赤ペンされたとか、そういうのが多々出てきていると思う。

私は最初、ヒプマイにおける設定のフワフワさを、さして気にしていなかった。

なぜなら、まだまだこのコンテンツは出発点にいると思っていたから。そして、それらのフワフワ感は、「ライト向けユーザーをマーケティング対象にするため、上から指示されてわざとやっているもの」だと思っていたから。

ここでいうライト向け、というのは、深く考えず、なんとなくノリで楽しむ層、という意味だよ。

残念ながら、私はライト層じゃなく、考察大好き人間でした。

ただ、コミカライズをきっかけに今まで特に気にしていなかった原案者のことに興味を持ち、調べ始めたところ、次々と出てくる不安要素。決定打は、上記のインタビューにある、コネクションで仕事を掴み取った、という部分。

ちなみに、なんでそれまで物語のフワフワ感を深く突っ込まなかったかって、楽曲は本当に素晴らしかったので、まさか、企画の出元である脚本家に能力がないなんて思っていなかったためだよ。

プロの力って本当にすごくて、説得力があるんですよね。そして、時には綻びすら隠してしまう力があるんです。現実社会の事務仕事でも同じだと思います。

 

ここで一つ断っておかなければいけないのは、百瀬氏に脚本を書く能力がない、というのは、あくまで個人的な物差しで、事実とイコールにはならない、ということ。

でも、限りなく事実に近い、とは考えているよ。

実際、ほかのライターならばできていそうなことが出来ていない。

 

プロの仕事っていうのは、受け手が満足するものを作り出すこと。

 

ーーこのキャラは受け手にこう愛されている、こう感じられている、だから、ここはこう行動させるべきで、そうすれば、きっと受け手はこう感じる――

 

この計算がうまくできる人ほど、創作能力が高いと言えます。

この脚本家に、これが出来ていると思えない。

まさかの展開を作る。キャラ設定に深読み要素を作る。それらは、確かに大事な要素だし、ひとつの技術です。でも、それだけなら厨二病黒歴史ノートと大して変わらんのです。

厨二病要素だって悪くはない。『格好良く見せたいだけ』で作るから馬鹿にされるんです。上手く扱えば、厨二病要素って本当にすごく格好いいんだぞ!

 

この脚本家の方は、おそらくだけど、同時進行で「いもいも」のアニメでも脚本と構成をやってたと思う(しかもこちら、明らかな制作進行スケジュール不備)から、スケジュール的に、いちいち設定を見直したり、練りこんだりする余裕がなかったのかもしれない。

だとしても、扱いきれていない時点で、やっぱり「能力不足」なんだよ。

いま、声を上げている人の中には、こういった面を思慮に入れている人もいると思う。

少なからず、私はそうだ。

例えば、自分が大好きな作品がアニメ化なり劇場化なりするときに、目立った経歴もない、名前も聞いたことのないような人が、監督の知り合いだから、ってだけで起用されたとき、安心して完成を待てますか?

いま、ヒプノシスマイクが直面しているのは、概ねこういう現状だ。

むしろ、目立った経歴がない方が、まだ希望が持てて良かったかもしれない。本当に掘り出し物の可能性があるから。

 

で。

現状の内部のままコンテンツを続けると、どうなるか。

多分、どうにもなりません。

はい、ならないでしょうね。現状のクオリティが続くだけです。

だから、現状で楽しめる人はそのまま楽しめばいいよ。楽しんだものがちだよ。その精神、間違ってないよ。

 

いま、声を上げている一部は「このままだとヒプノシスマイクという素晴らしいコンテンツが、能力の無い一部の公式スタッフのせいで、微妙なクオリティの作品に落ちぶれる」ことを恐れてるんだよ。

楽曲のクオリティはこの先も心配なさそうだけどね。物語の根幹への期待値はダダ下がりなんじゃないかな。

 

過去、大きなコンテンツが何かしらの問題を起こして話題になったケースはいろいろある。

テイルズシリーズの真の仲間問題とか、FF15のクオリティとか。いろんな人が関わって作ると、何かしら、起こるもんです。

ただ、ひとつ確かに言えるのは、素晴らしいクオリティの作品を生み出している企業は、ちゃんとしてるんです。連携とか、体制とか。

 

「脚本が変わるとヒプマイが終わってしまうのでは」という声も見かけるけど、

その可能性は低いんじゃないかな。企画原案として設定を残して、それを上手く運用できるライターにバトンタッチするだけです。

今まで空っぽだったコップに水を入れても、問題ないと思うよ。中身を入れ替えて味が変わってしまったら問題だけど、最初から中身も味もなかったんだから。

味がある所(企画原案の設定・大まかなあらすじとストーリー)は残して、味がなかった部分(後出しされて粗が出る部分、明らかな設定矛盾)をきちんと正当に埋めましょう、という提案だよ。

 

ここで最初の

コンテンツの大きさに見合わない能力の人間・仕事は、早めにフォローを入れておかないと、そのコンテンツの未来は危うい。

にもどるよ。

 

適材適所、という言葉があるように、人には出来ることと出来ないことがある。

できない人にできないことを任せても、そこから全部が乱れていくと思うんだよ。

今のままでもいいかもしれない。でも、もっといいものだったら、もっと嬉しくない?

世界はもっと面白いはずじゃない? 公式さんに、それをやってほしいんだよ。

 

どんな作品でも、必ず反対派の意見は出る。でも、今回こんなにも批判が上がったのは、必然だと私は感じる。これはただの、私の意見。

本当に、今の脚本能力の印象を覆せるだけの技術を持っているなら、早くそれを見せて欲しい。今は、信じるに足りる要素が全然無い。

プロの仕事を見せてくれ。

じゃないと、せっかくここまで大きくなったのに、素晴らしい楽曲を生み出してきたのに、幼稚園のお遊戯会で終わってしまう。

 

私から入れられるフォローは、スケジュールの圧迫で満足な仕事ができなかった、だけです。別に入れてくれ、なんて頼まれてないけどね。

 

ユーザーからの売上金の使い方も気になるところだけど、「お金を出している(投資)対象」がちゃんとしていれば、それはそこまで責められることじゃないと思うので。

 

今後、どうなるんだろうね。

偉そうに指摘してたやつ顔真っ赤wwwwwwmg(^q^)gmプギャー」って展開になったら、いいね。←結論。